お勧め度:★★(ネタとして見れば+1個)
ネットでの映画評の余りの悪さに友人と見に行きました。
そんなに見れないものではありませんが、
かといって誉めるべきところも余りない、そんな映画です。
まずは良い箇所から。
(1)絵が綺麗。
(2)テーマが分かりやすい。
悪い箇所は幾つか挙げられます。
(1)舞台背景の説明が不足。意味が分からない。
(2)ストーリー展開も唐突・強引
(3)淡々として盛り上がりに欠ける。
(4)テーマの訴え方がストレート過ぎ
   (この人、テーマを全て登場人物のセリフで分かりやすく訴えてますよ。いや、それはどうでしょうか。)
(5)「笑い」が一つもない。ストーリー上しょうがありませんけれども(ジブリにこれを期待している人は多そうです)
(6)悪役がステレオタイプ
   クモ女が小物すぎる。手下が下品で如何にも一昔前の作品の悪人。
   (ムスカ様は偉大だった・・・)
細かいところは兎も角このような感じでしょうか。
さて、周知のとおりこの映画の「宮崎吾郎」監督は、あの世界的な「宮崎駿」監督の息子さんです。
「世襲」という行為自体には「まぁしょうがない」という気はします。
ただ、映画監督とか音楽家とか、
クリエイター関係の職業の「世襲」というのは余り成功例は少ないですよね。
他の政治家・郵便局長等の「世襲」がつきもののお仕事と違い、
クリエイターは自ら創作した作品を評価されるのですから、これに対する誤魔化しは不可能です。
ジブリスタジオは息子の宮崎吾郎監督を今後の「ジブリ」ブランドの柱とするという方針を立てたのであれば、
最初の作品評価を落とさないためにも、万全のサポート体制を作るべきだったと思う。
でも、作品を見るにそれは結果として失敗に終わった(といって差し支えないと思います)。
その理由として、a) ジブリは「それを出来なかった」「サポートしたけれども上手に行かなかった」のか?b) 「敢えてしなかった」のか?c) 「吾郎監督が不要としてさせなかった」のか?
どうなんでしょうか?
a) ならば、ジブリは宮崎駿のワンマンで後継者どころかサポート出来る人材も育っていないとなる。これからの凋落が予想されます。
b) はほぼあり得ないのではないかと。ブランドを育てようとして、処女作の保証をとらないとは思えない。
c) であれば、宮崎吾郎の監督としての意気込みと見るか、傲慢と見るかは両方あることと思いますが、次回作へ判断を持ち越してもよいと思います。
本当にどうなのでしょうか?
ふと思いつきましたが、
原作にない「父親殺し」のシーンは偉大な国王陛下(=宮崎駿)と自分に自信がなくいつも不安な主人公(=宮崎吾郎自身)を重ねて、追加されたのかもしれませんね。自分が平穏に生きていくには偉大なる国王を殺す(≠乗り越える)しかない、という葛藤を描きたかったのかもしれません。
そういう目で全体を見直してみると、意外に新しい側面が見えてくる・・・わけもなく、やはり中途半端な展開ですねぇ。
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[C118] こんにちは